去る2018年11月23日(金曜日)にパリで開催された博覧会国際事務局(BIE)総会において、5年後の2025年に開催される万博の開催国に日本(大阪・関西)が選ばれたことは 記憶に新しいことと思います。
今から50年前の1970年にも開かれた大阪万博。実は そこで描かれた2020年の様子が、Twitter 等で話題を呼んでいるそうです。
話題を呼んでいたのは、日本のパビリオン「三菱未来館」に展示されていた内容なのですが、いったい、どのような「未来」が描かれていたのかと言うと…
1日4時間労働、通勤ラッシュも解消?
パンフレットには2020年の来場者がどういう暮らしをしているのかが、「50年後のあなた」としてまとめられています。
オフィスでは、「会社内の業務は、完全にオートメーション化され、ボタン一つですべてが操作できるようになる」「会社は、24時間業務を続けるが、人間の働く時間は1日4時間に短縮される」と、まさに夢の世界。
肉体労働に関しては「まったく姿を消」すそうで、通勤ラッシュも「伸縮自在の高速通勤列車」のおかげで解消されるそうです。
農漁業も機械化で解決?
漁業では衛星によるレーダーを活用するように。魚は工場船で加工され、ヘリコプターで運ばれます。魚の減少を防ぐため、栄養分を海水に混ぜておきます。人工養殖も発達し、マスやウナギは世界中に輸出されています。
農業に関しては、稲作が減少し酪農に重点が置かれますが、機械化された集約化や、「多様化した専門的個別経営の農業」が進んでいます。天候も自動調整され、人工照明のおかげで生産性は増大に…
家事は すべて機械がしてくれる?
「家庭」の項目では、「家事は すべて機械がやるために、主婦は 電子チェアにすわって、家事プログラムに合わせたボタンを押すだけとなる」という。また 料理は電子自動調理器をセットするだけ。世界のテレビ中継がみられるほか、プールや自家用ヘリが一般家庭にも普及している……といいます。
一方の住宅は「一生のうちで唯一の財産という所有物的な考えはなくなる」ともされています。回転しているので 日当たり万全な筒型の住宅に暮らしているのだそうです。交通にも便利で、無駄もなく機能的。仕事が終わると郊外の別荘にいくことも。
スポーツは日常的な義務に、ガンも完治?
スポーツは盛んですが、遊びではなく「日常的な義務スポーツ」に変わっていき、グライダーや 海底散歩などが 一般的に人気になっているそうです。
病院では ガンは克服されるので、交通事故以外では手術も必要なくなります。人工臓器も活躍し、人の健康状態のデータは常に病院に管理されることで、病気がある際には呼び出される仕組みに変わります。
個人の能力をのばす教育、留学も簡単に?
学校は、個人の能力をのばす「科目別進学制」に。勉強の場は家庭に移り、テレビ放送で教育を受けるように。
学校そのものは、遊びや体育を通じて「人間性や団体生活を養う」場に変わります。教育の国際交流が広がり、留学も簡単にできるようになります。
パビリオンの総合プロデューサーを担ったのは、ゴジラの生みの親でもある田中友幸さん他、起案グループには、SF作家の星新一さんや矢野徹さん、福島正実さん、さらにイラストレーターの真鍋博さんが加わりました。また、アートディレクターには黒澤映画での舞台芸術を務めた松山崇さんが、特技監督には「特撮の神様」円谷英二さんの名前もあがっています。
「私達を脅かす自然の脅威。それを克服して、いかに自然と調和した文明を築くかーーこれが、三菱未来館のいだく大きな夢です。
しかし、ここにえがかれる驚異の世界は、単なる夢物語ではなく、近い将来かならず行われるであろう、私達日本人のかがやかしい未来の壮大なスペクタクルショーです」パンフレットの冒頭には、こう書かれていたそうです。
55年ぶりになる 2025年の大阪万博で、私たちは どんな未来を見ることになるのでしょうか?