新型コロナウイルスの感染予防対策としてでマスク着用が広がっている中、日本小児科医会は今月25日、「2歳未満のマスクは不要で、むしろ危険である」とする保護者向けの警告文書をインターネット上に公表しました。
2歳未満がマスクを着用した場合、呼吸がしにくくなるなど、むしろ危険な場合もあるとし、窒息や熱中症のリスクが高まることを懸念し、保護者らに注意を呼びかけています。
文書によりますと、乳児は呼吸器の空気の通り道が狭く、肺機能も未発達のため、マスクで呼吸がしにくくなり、肺や心臓に負担がかかるとしています。
ほかにも、マスクそのものによる窒息や嘔吐に気づかずにのどを詰まらせるリスクが高まることもあるといいます。
また、マスクで顔が覆われると唇や頬の色、表情などが確認できず体調の異変に気づくのが遅れる可能性もあり、熱がこもって、熱中症になりやすくなることも考えられるなど、健康影響が懸念されると指摘しています。
一方、声明では、世界的に子どもの感染例は少なく、学校や幼稚園、保育園でのクラスター(感染者集団)の発生はほとんどないため、重症例もきわめて少ないと説明。
米疾病対策センター(CDC)がウェブサイトに掲載している「Q&A」でも、子どものマスク着用については「2歳以上の子どもが人と接するような外出をする場合には勧めるが、2歳未満の子どもは窒息の恐れがあるため使わないで」としています。
子どものマスク着用を巡っては、中国で医療用マスクを着用したまま運動した中学生が相次いで死亡したことなどから、スポーツ庁が、学校の体育の授業では、マスクは不要とする見解を示しているようです。
新型コロナの影響によってマスクを着用する習慣が多くなってきていますが、この時期のマスク着用は大人でも息苦しく感じるものがあります。
また、2歳未満のお子さんにマスクを着用させようとしても嫌がる場合もありますし、こういった危険性などを考えると無理に着用させる必要はないでしょう。
2歳未満のお子様に限定されてはいますが、これからどんどん暑くなりますので、2歳以上のお子さんがいる家庭にも是非この情報を知ってもらいたいですね。