茨城県の常磐自動車道で8月に起きたあおり運転殴打事件で、
無関係の女性を同乗者とするデマ情報を自身のフェイスブックで拡散させたとし、
愛知県豊田市議を辞職した原田隆司氏(57)が5日、同市内で辞職会見を開きました。
原田氏は記者会見で、「同乗者と女性を結びつけた最初の投稿者を探し出したい。関係者におわびしてほしい」
と述べたことで、世間では賛否の声も上がっています。
原田氏は会見冒頭、「多くの皆さまに多大なご迷惑をおかけしたことを、心からお詫び申し上げます。大変申し訳ありませんでした」と一礼。
この事件で注目されたのは、トラブルの様子をガラケーで撮影する「ガラケーの女」の存在でした。
しばらくするとネット上には、ガラケーの女と無関係の女性を結びつけるデマの書き込みが出始め、
それをフェイスブックで投稿し、拡散した大勢の中の一人が原田氏でした。
無関係の女性から原田氏は提訴されており、その責任を問われたため、辞職となったわけであります。
原田氏は会見で、「これ以上市民に迷惑をかけられない」などと辞職の理由を説明したうえ、
「デマを最初に投稿した人物を洗い出し、謝罪してほしい」と言及していましたが、
原田氏が最初にデマを投稿した人を特定することは果たして、可能なのでしょうか。
ITジャーナリストの井上トシユキ氏はこう答えます。
「できなくはないがハードルが高い。砂漠で砂金を探すようなものです。SNSの運営会社は時間がたつとデータを削除していくので早くやらないといけない」
このように、最初にデマ拡散した人を特定するのは、きわめて難しいと指摘。
そもそも、ネットに拡散する行為そのものを注意すべきだともされており、
橋下徹元大阪府知事がリツイートで名誉を傷つけられたとしてジャーナリストを訴え、
地裁では損害賠償が認められたという例もあります。
真偽の分からないものを面白半分で拡散すると名誉毀損に問われかねないと肝に銘じる必要があるのです。
また原田氏は、デマを最初に拡散した人に謝罪を求めたほか、
女性にはいち早く直接謝罪に向かうとし、来年2月の補欠選挙には出馬しないとしました。
しかし、これらの辞職会見には様々な意見が飛び交っているようで、ネット上からはこんな声が。
「私が議員を辞めるまでになったのは、最初に投稿した人のせいだ。ということでしょうか?
なんか違うと思いますが。」
「投稿と拡散は話が別だろ。小学生じゃないんだから…。よくこんなで市議やってたな。」
「何か勘違いしてない?拡散したのは君でしょ?」
「謝罪をあおるのは、やめましょう。」
などと厳しいコメントが寄せられています。