ラグビーW杯で日本が史上初のベスト8に進出しました。
日本の進撃でラグビーの人気が高まり、夜にビールと共にみるラグビー競技は1日の楽しみになりました。
ところで、みなさん!外国出身の選手も日本代表として活躍できるというラグビー独特の仕組みをわかっていらしゃったんですか?
母国・韓国での無関心
そうした外国出身の選手の1人に韓国人の具智元(グ・ジウォン)がいます。
最近の輸出規制で日韓関係が悪い中、韓国出身のラグビー選手なんて少しは意外ですね。
10月13日、横浜国際総合競技場で行われたスコットランド戦で、具智元は、スクラムを最前列で支える右プロップで出場しました。
前半21分で負傷交代となったものの、勝利に貢献しました。
具智元は25歳です。兄の智允(ジユン)とともにジャパンラグビートップリーグのチームの「ホンダヒート」(三重県鈴鹿市)の選手です。
韓国代表のプロップとして活躍した父の影響でラグビーを始め、中学生でニュージーランドに留学しました。
高校時代には、ラグビー名門の日本文理大附属高で鍛えられて頭角を現しました。
戦後最悪の日韓関係。日本代表に選ばれたことについて、具智元は日本のメディアのインタビューに、
「心配するところもあったが、(日韓の)両方から応援してもらって素直にうれしい」
と語りました。
具智元の活躍は韓国メディアでも伝えられており、「両国からの応援がうれしい」という発言も日本の報道を引用する形で紹介されました。
しかし、それらの報道について韓国のネット掲示板やツイッターに書き込みはあるものの、その数は多くないです。
ですが、ネットの反応は様々です。
「韓国の選手が活躍しているようだ」というコメントには「在日ではないのか」という疑問がつけられ、
これに対して「韓国生まれの韓国人」という説明とともに、ラグビーの代表選出は国籍に基づく訳ではないとが解説されるといった程度で、盛り上がってはいないですね。
日韓の厳しい対立から、「日本の代表になるなどとは、祖国への裏切りだ」といった反発も懸念されたが、見かけてはいないです。韓国の成熟したネット意識をうかがえる題目ですね。
とにかく関心が薄いです。
韓国の有力紙『朝鮮日報』の李河遠(イ・ハウォン)東京支局長は、日本では古く明治時代からラグビーが広がったことに着眼し、
自国で人気が広がらない理由については、韓国人の国民性というよりも、植民地時代、戦後に渡って長く経済的に余裕がなかったため、
多様なスポーツに目を向ける機会がなかったことが影響していると語りました。
日本で活動する韓国選手は10人以上
ジャパンラグビートップリーグの全16チームそれぞれのウェブサイトを見たところ、11名の韓国人選手を確認できました。
このうち7名が韓国代表経験者だったんです。日本の方がスポーツプレイヤーとして成長できる機会が多いと韓国人選手は判断していることがわかります。
選手側には、韓国ラグビーの繁栄のため、日本で得た技術を韓国に持ち帰りたいという考えもあるようですね。
NTTコミュニケーションズシャイニングアークスの選手からスタッフになった諸葛彬(チェガル・ビン)は現役時代、
「海外の良いラグビーを取り入れ、選手も海外経験で意識を高めていけば、韓国代表も強くなると信じている」
と語りました。
韓国人選手が日本で活動することについて、大韓ラグビー協会関係者は、「ケガをすることなく活躍してくれることをただ願っている」と答えました。
まとめ
一方、日本のチームがこれらの選手を受け入れているのは、その実力を認めているからでしょう。
韓国のプロ野球チームでコーチとして活動する日本の元プロ野球選手から、韓国のプレーヤーについて、技術や戦術の粗さはともかく、体格のよさや身体能力の高さに驚かされると聞いたことがある。
ラグビーでも同種の状況があるのではないか。日本側が技術を、韓国側は人材を提供するという形で、協力関係が成立しているように見える。