「アイドル戦国時代などと呼ばれていた時代はとっくに過ぎ去り、女性アイドルシーンはかなり落ち着いてしまいました。そんななか新型コロナウイルスの感染拡大で、ライブや握手会などがこれまで通りに開催できなくなり、さらにアイドルシーンが低迷する形になっています」(音楽業界関係者)
デビューしたばかりで 大ブレイクを果たしたNiziUが出場し、AKB48が落選した 2020年の『紅白歌合戦』を見ても、女性アイドルシーンが過渡期にあることを 象徴しているといえるでしょう。
現在 トップをひた走る、乃木坂46、櫻坂46、日向坂46の坂道シリーズも、決して不動の人気ではないという。はたして 2021年の女性アイドルシーンはどう動いていくのでしょうか…。
「人気も売り上げも坂道シリーズがトップであることは間違いないものの、すでにピークは過ぎています、さらに、コロナの影響が大きくて、2020年でその勢いは一気に下降してしまいました。握手会への依存度が高かったのに、正常化のメドはたっておらず、そろそろ新たなビジネスモデルを見いださないと、フェードアウトするしかないような状況です。日本中の誰もが知っているような新生代エースでも登場すれば復活もあるかもしれませんが、正直難しい。これからはいかに延命していくかという方向性にならざるをえないでしょう」(同)
その一方で、すでに延命すらも難しくなっているのが、AKB48グループだというのですが…。
「こちらも握手会などの特典会が正常に行えないのが、一番の痛手。また、札幌や仙台でも48グループができるという話があったものの、全く進展していないというのも致命的。こういうところで“落ち目イメージ”に拍車がかかっていくんですよ。今年中にいくつかの“支店撤退”もありえそうだと言われています」(同)
そのように、コロナ禍でライブ活動がままならないなかでも、規模を縮小しながらもライブ活動を継続しているのがハロー!プロジェクトだといいます。
「ほかのアイドルグループが、なかなかライブを再開できないなか、昨年夏にはライブを再開したハロプロは、出演者を減らしたり、着席のみの観覧といったルールを設けたりして、コロナ禍でできるコンサートを模索しています。そのまま現在に至るまで、継続してツアーを行っているのも大きい。これまでよりも売り上げが下がっているのは仕方ないとしても、継続するという意志は強くアピールしている。さすが老舗といった感じで、今年も根強い人気を保つでしょう」(レコード会社関係者)
2021年は、残念ながらアイドル冬の時代の再到来が 予感され⁉
ほかの大手芸能事務所も、アイドル部門からが“撤退ムード”となっているというのですが…。
「BABYMETALを生み出した、アミューズのさくら学院は今年の8月いっぱいで活動終了となります。これでアミューズのアイドル部門は終了となるでしょう。エイベックスもアイドル部門である“iDOL Street”が昨年事実上消滅し、『SUPER☆GiRLS』と『わーすた』の2組がまだいますが、活動はどんどん減ってきて、このままフェードアウトという形になりそうです」(同)
また、ももいろクローバーZや私立恵比寿中学を擁するスターダストも、“現状維持”が基本となりそうだという。
「ももクロは、濃い固定ファンを逃さないビジネスはしっかり実現できているので、まだまだ終わらないでしょう。ライブの本数は減っているものの、意外と活動ペースは鈍っていない。ただ、スターダストのアイドル部門という意味では、ももクロと私立恵比寿中学以外は、かなり動きがペースダウンしています。エビ中が新メンバーオーディションを開催して、新しい風を入れようとしているものの、それ以外のグループには“新陳代謝”の動きがあまりない。スタダ的にはアイドル部門を拡大するというのではなく、ももクロとエビ中というある程度の売り上げが見込めるグループだけに絞っていきたいという方向性になっているようです」(同)
昨年は、コロナによって影響が何よりも大きかった女性アイドルシーンですが…。さらに、2021年は 本当に正念場となりそうだという。
「シーン全体は完全に低迷しているんですよね。トップを走る坂道シリーズ、固定ファンが多いハロプロやももクロ以外は、かなり厳しい。その一方で 地下アイドルシーンは独自の進化を遂げていて、メジャーシーンとはどんどん乖離していく傾向にあり、全体がボトムから押し上げられるような状況でもない。各グループがいかに自分たちの居場所を確保するかという段階になっていると言えます」(同)
今年 2021年は、残念ながらアイドル冬の時代の再到来が 予感されるという。各社が生き残りをかけた 壮絶なサバイバルレースはすでに決着に近づいているのかもしれません。